先週。

エルマーのぼうけん展を見てきた。

職場が立川なのでさすがにこれは見にいかねばと思い行ってきた。ご多分に漏れずドラゴンに興味津々の小学生男児の頃に小学校の図書館で読んだ記憶はある。今となっては内容はほとんど思い出せないでいたが、シリーズに沿って展示してあるイラストと添えられてある本文とで、ふんわりと全体像は把握できたと思う。エルマーのぼうけんってそういう話だったのか…1作目、2作目はなんとなく覚えがあったが、3作目はまったく覚えがない。もしかすると3作目は読んでいなかったのかもしれない。イラスト原画が想像よりも小さくてびっくりした。鉛筆で描かれたようなのだが、黒の濃淡の均一的な塗り方とかどうやって描かれたのか想像もつかん超絶技巧だった。絵葉書とバッチを買った。

さいきん美術展などを回るようになったので、ひとつの展覧会でひとつのマグネットを買って帰って冷蔵庫のパネルをマグネットで埋めるかと考えていたのだが、マグネットを販売している展覧会が思いの他すくなくてまったく計画が進んでいない。右からパルコあらいけいいち展、都美術館のマティス展とアーティザン美術館の抽象絵画のなんたら展の3つしか増えていない。左のは毎年10月におこなわれてる天一祭で数年前に当たったマグネット。裏にボタン電池を搭載していて、その部分をひねってスイッチオンするとピカピカ光る仕様だったが、今は電池が切れたか反応しなくなっている。

エルマー展のあとシネマシティで『オオカミの家』。本当はクローネンバーグの新作が見たかったが、エルマー展に夢中になりすぎて映画の上映時間を過ぎてしまったので、急遽オオカミの家に変更した。シネマシティの中でもでかい方のスクリーンで上映されてて驚いたが、それ以上にイメージフォーラムとは音響がまるっきり違っていて超驚いた。イメージフォーラムでは聞き逃していたような音がシネマシティだと粒だって聞き取れて、こんなに違うもんなのかと感心した。2度見ても、アニメーションの技巧はやっぱりすごかった。後半の方で人形から表面の絵の具だけが背後の壁に移動して壁面上でアニメが展開されるのだが、その間も人形やオブジェの残骸はそこに残ったままで、その上にも絵の具が塗り重ねられていく様は、マティスのバリエーション的な絵画を映画化したような痕跡の妙が感じられた。そのうえ壁面のアニメが透視図法的に奥の消失店に向かって流れていくような展開になったときに感じられる奇怪な奥行きの感覚は、まさに悪夢としか言えないような強烈な映像体験ではあった。前回長回しの視点で酔いを誘発されたと思っていたが、この2次元3次元を複雑に織り込んだ悪夢な視点にこそ酔ってしまっていたんじゃないだろうか。酔い止めを飲んでいかなかったので、当然頭痛に悩まされつつ映画館を出た。

読みたい本が次から次に増えていく。このままでは第二の性にたどりつくのは無理とは言わないまでも、今年中には無理そうな気がしてきた。ひとまず読みたい本を抜き出して積んでみたところ、15冊以上あった。あと読みたいけど見当たらない本もあるので、なかなか先は長そうである。注文していたルネ・ヴィヴィアン伝が届いたので、読み始めたが、なんか読みづらい…まず何歳のいつ頃の出来事を語っているのかがとてもわかりづらい。また何の狙いがあるのか、筆名「ヴィヴィアン」と本名「ポーリーヌ」の表記がころころ入れ替わって使われているのは、ただただ読みづらさしか感じない…同時並行で何か小説でも読んでストレスの均衡をはかりたい、とおもっていたら、ルネ・ヴィヴィアンの詩や小説を翻訳しているブログにたどり着いた。

詩作品はともかく小説作品は読める機会はないだろうなーと思っていたので、これは大変うれしい発見だった。他の記事や翻訳もとても面白そう。