勤労。脱獄計画、クローゼットの認識論、知への賛歌・修道女フアナの手紙。何年振りかで脱獄計画を読んだが、主人公は投獄されるわけでもないのになんで脱獄計画なんだろと疑問に思ってネット翻訳で原題Plan de evasionを調べてみると、Evasionはどうも逃避・回避という意味らしい。脱獄とあてるのは慣用句的・スラング的な表現かもしれんがそこまでは調べきれなかった。DeepLだと言い逃れとも出た。内容に則していうと言い逃れがもっともしっくりくるな。言い逃れ計画。英訳だとエスケープが使われているみたいだ。

この小説では主要な男性登場人物はことごとくカップルを組むように書かれているように読める。2つある刊行者注ですらランボーヴェルレーヌに関するものだし。唯一の主要な女性イレーヌだけは誰ともカップルを組まない。ヌヴェールやグザヴィエと婚約していたようだが、彼らを単身悪魔島送りにする一族の長ピエールもイレーヌに魅了されていた。この小説の陰で男たちを手玉にとる悪女のごときイレーヌの延長で、脱獄計画(仮)の土井を重ねてみることははたしてできるだろうか。

仕事帰りに本屋をぶらぶらしてつい本を買ってしまった。良い本屋とは買う気もないのに本を買わせてしまう本屋のことではないだろうか。かつて新宿のABCやジュンク堂、立川のオリオン書房が私にとって良い本屋であったが、新宿の2店舗はなくなり、オリオンはコロナ前あたりから凋落してしまい今では並の本屋になってしまっている。立川のジュンク堂が今の私のオアシスだ。

科学道100冊フェアというのをやっていて、楽しそうな本がたくさん並べられていた。いつ読むのかとも思うが本を買うために働いているようなもんなのだから本を買うのだ。