ますますお茶を飲んでいるわけですが、とうとう抹茶に手を出してしまった。抹茶はなんつっても茶道の流派だの作法だののごりごりに面倒そうなイメージが強すぎて、わたしのお茶ライフにははじめから選択肢に入っていなかったお茶なんだけど、考えてみると家でひとりで飲むだけなのに作法もクソもなかったわと今さらながらに気づき、さっそく抹茶を注文することに。しようとしたらば商品の説明欄に濃茶向き・薄茶向きと謎の種類わけがあり、ちょいと調べてみるとあのシャカシャカで泡立てるイメージの抹茶はこの場合薄茶と呼ばれる方で、しかし茶道では「御茶」といえば濃茶、茶室にて複数人で一杯の抹茶をちょびちょび回し飲みして良いお点前でしたとか褒めたりするあの千利休的世界の方の抹茶は濃茶オンリーらしくって、抹茶といえばシャカシャカのイメージしかなくって、茶道なんてシャカシャカができて一人前なのだろうと思いきやなんとそうじゃないと知って、ちょっとびっくりなのだった。とはいえ抹茶を飲むならシャカシャカしたいというのが抹茶初心者みんなの気持ちのはずで、はじめは薄茶を買ってシャカシャカして飲んだんだけど、まあ想定する範囲での抹茶の風味で、入れるのにぜんぜん手間もかからんし、なんだったら玉露より入れやすいし、ぜんぜん飲める、毎日でもいけるなと軽い気持ちだったのだけど、そのあと濃茶で飲んでみたら新たなる世界が啓けた。はじめて玉露を飲んだときみたいに脳みそがふっとんだ。シャカシャカなんてしとる場合じゃなかったわ。いやシャカシャカはシャカシャカで楽しいから良いんだが、シャカシャカの薄茶とどろりとした濃茶は味から香りから何から何までまったく別物といっていいくらい別の飲み物で、これはものすごいショックを受けた。と同時にこれでまたひとつ趣味の世界がひろがってうれしい限りである。

とまあここまでが抹茶編のプロローグで、ここから先が本編なんだけど、じっさい抹茶を飲んでみるまで玉露ほどハマるかどうかはわからんかったので、お試しで買うのは抹茶の粉とシャカシャカの茶筅茶筅のくせ直しの3つにしておき、茶碗は家にもとからあったどんぶり茶碗で点てて飲んだ。薄茶だけならどんぶり茶碗のままでも良いかなと思ったが、濃茶でしっかりハマってしまったので、よし抹茶碗も買おうとなるわけですが、まあ買う前からなんとなく知ってたし、あらためて見ても、うんこれは沼だわ。抹茶碗に比べれば急須とか茶杯とかはかわいいもんだったわ。というわけでこれは自己抑制をもうけんと危険と判断し、抹茶碗は2個だけと固く決意した。シンプルでモノトーンな碗とごてごてで装飾的な碗とで2つ揃えとけばどんな気分のときでもカバーできるやろという意味で2個なんだが、いざ買おうとするとなかなかこれという碗が見つからないのだった。というか欲しいと思ったものはだいたいが一桁か二桁高くて無理。あるいは売り切れ。作家ものは1点ものだから自分の好みに合う碗と出会えるかどうか時の運といったところがある。そんななかで今のところ良いかなと感じたのがこちら

すこし中二病っぽい気がないこともないが、月煌で彩るという名前とブロンズっぽい色合いがなかなかに絶妙でかっこいい。抹茶の緑色も映えそう。迷う。次回のブログ更新までには1個は抹茶碗が増えていると思われる。迷う。